
旧ユーゴ戦犯法廷の検察官、カルラの手元には、未だ逃亡中の戦犯の顔写真が載ったリストがある。
中でも大物戦犯であるカラジッチとムラジッチは、内戦終結10年を経ても捕まっていない。
彼女たちのチームは手を変え品を変え、逮捕に消極的な政府と交渉にあたる。状況によって出方が変わり、時には話している内容も変わる。マスコミに叩かれ、国際社会の思惑に翻弄されながらも、カルラは戦っている。
「正義」という言葉がたくさん出てくるな、と思いました。
カルラの口から、カルラと一緒に働いているスタッフの口から、内戦に巻き込まれた市民の口から、スレブレニツァ母親の会のメンバーの口から。
被害者と加害者が混然一体となっているこの内戦では、誰にとっての正義が優先されるのか、私には未だにわかりません。
強く心に残った言葉がふたつ
「正義なんてものは90年代に消滅したわ。」
「信じられない。1万人を殺した責任をたった2人の男に負わせるなんて。犯人はもっといる。」
どちらの言葉の主も、内戦で家族を失った女性。旧ユーゴの内戦を扱った作品の中でも、戦いに参加した男性ではなく、突然平和を奪われた女性にスポットが当てられているこの作品は、貴重なドキュメンタリーだと思います。
カルラのリスト


